DAY1の一般部門大会に続き、Nintendo Live 内で行われたARMS JGP18東京大会 DAY2 小学生以下限定部門のオフレポを。
小学生以下限定の大会は2017年6月、ARMSの発売から約1週間後に「ARMSスゴウデトーナメント in 次世代ワールドホビーフェア’17 Summer」で行われている。
この頃、僕のARMSに関する情報感度は低く、大会があったこともその様子についても知らない。
そのため、ARMSで年齢制限ありの大会を観戦するのは今回初めての経験となる。
昨年行われたJGP17には小さな子もたくさん参加していた。
対戦後に礼儀正しく頭を下げてお礼をいう子の愛らしい姿や、試合に負けて泣き出してしまう子に慌てる強豪プレイヤーの様子が今でも語り草になっている。
▼会場の様子がわかるレポート記事
濃厚さはとんこつ以上!?「ARMS JAPAN GRAND PRIX 2017」福岡大会レポート!そして戦いはまだ終わらない…!
普段付き合いのあるARMSのコミュニティはネットやSNSを通じたやりとりが基本なので、こうした低年齢の子は少ないのだが、国内40万本売れたARMS、きっとたくさんの子ども達が日々腕を振っているはずだ。
今回、まだ見ぬ新しいARMSプレイヤーとの出会いに胸を躍らせながら再び幕張メッセを訪れた。
受付〜予選大会
スケジュールは1日目と同様、選手はAM8:30集合、一般入場はAM9:00。
この日は前日よりも開場前の来場者が多かったが、それでも入場が始まってすぐに待機列は動き出しスムーズに会場に入ることができた。
自分の周りのARMSプレイヤーは10代後半から20代が中心。家族連れの方で賑わうARMSの大会会場というのは新鮮な風景だ。
ちなみに、小学生以下限定部門は一般部門よりも申込み数が多く、倍率が高かったらしい。
AM9:30、予選トーナメントは始まった。
声援を送ったり、写真やビデオを撮ったりする親御さんで対戦台のまわりはどこも賑やか。
対戦相手の親御さん同士が挨拶をしたり、両家族で記念写真を撮ったりといった交流も見られ、和気あいあいとした雰囲気で予選は進んだ。
自由なファイター&アーム構成
ARMSは42種類あるアームから左右の腕を選んで戦う。
15人のファイターと選択するアームの種類で無数の組み合わせが存在するが、大会で上位に入るレベルになると研究が進み、人気の構成がある程度決まってくる。
しかし、小学生以下部門ではそうした定石に縛られない、自由な構成で戦う選手が目立つ。ファイターもランキング上位ではあまり見ないスプリングトロンが一番人気だった。試合を観戦していても新鮮でわくわくする。
また、いいね持ちでプレイする選手が半数近くいることも驚きだった。(一般部門では9割近くのプレイヤーがプロコントローラー、ジョイコングリップを使用している)
いいね持ちはNintendo SwitchのJoy-Conの性能を活かした操作方法で、ARMS独特のプレイスタイルだ。
操作は新鮮で楽しいのだが、習得に時間がかかるためか周りには使い手が少ない。(誤解があるといけないが、慣れれば左右のアームを別々にコントロールできる利点もあり、コントローラー使用者と同等に戦える。世界ランキング1位のいいね持ちプレイヤーもいる)
このあたりも自分たちとの違いがあり興味深かった。
予選開始から2時間ほどで全ての試合が終了し、決勝ステージ進出者が出揃った。
各予選ブロックの結果はこちら。
予選の配信はNintendo 公式チャンネルから見られる。
決勝ステージ
PM12:10から舞台をNintendo Liveのメインステージに移し、準決勝〜決勝戦が行われた。
この日はDAY1一般部門とは違って解説に矢吹プロデューサーの姿はなく、予選と同じく実況・解説を高橋麗さん、リングアナウンサーに国本さんのお二人が進行を務める。
決勝トーナメント出場選手
初開催の小学生以下限定部門、決勝トーナメントのステージに上ったのは次の4選手だ。
Aブロック代表:まるまる選手
使用キャラクター:スプリングマン、マックスブラス、キッドコブラ
対戦相手に合わせて操作性の異なる複数のファイターをどれも高いレベルで使いこなす。DAY1にも遊びに来ていて、大会後に対戦台で一般部門の選手相手に互角以上の戦いをしていた強豪選手。
フリーザー、サンダーバード、メガボルト。ステップとオーラを使い距離を詰め、プレッシャーをかけるツインテーラの基本的な立ち回りをしっかりと抑えて戦う選手。
Cブロック代表:ソウル選手
使用キャラクター:スプリングトロン
二つ名のとおり、この日人気のスプリングトロン使い。ショックウェーブ、ガードキャンセルなど立ち回りに安定感あり、落ち着いて相手のスキに攻撃を差し込むカウンターが印象的。みんなが驚いた「横持ち」(Joy-conを片方だけ使って操作する方法)操作のプレイヤー!
Dブロック代表:Riku選手
使用キャラクター:メカニッカ、キッドコブラ
闘会議2018のARMSトーナメントに一般プレイヤーと混ざって出場経験もある選手。メインファイターのメカニッカでは、ニトロハンマーにサラマンダーという扱いづらい構成を巧みに使いこなしていた。チャージサラマンダーからの打ち上げラッシュコンボには度肝を抜かれた。
決勝ステージには大会で上位入賞常連のメンバーも応援に駆けつけた。
試合結果
準決勝第1試合
○まるまる選手 2-0 ●ケイ選手
動画はこちら
準決勝第2試合
○ソウル選手 2-0 ●Riku選手
動画はこちら
決勝戦に進んだのはまるまる選手とRiku選手。決勝戦はBO5(3セット先取したほうが勝利)で行われる。
決勝戦
○まるまる選手 3-2 ●Riku選手
動画はこちら
まるまる選手がキッドコブラで2セット先取。Riku選手も1度はキッドコブラを出すも次第にメインのメカニッカで調子を取り戻し2-2のファイナルセットへ。最終Roundまでもつれ込む接戦の末、最後はまるまる選手がマックスブラスを使って勝負を決めた。
和気あいあいとした予選会場の様子、新鮮なアーム構成や戦略、そして見ごたえのある決勝ステージでの戦い。
微笑ましい場面に何度も目元がゆるみ、自分が知識も無く手探りで夢中にプレイしていた頃を思い出すような懐かしさもあり、観戦していて楽しい大会だった。
年齢制限大会の役割
ビデオゲームでは、少なくともARMSにおいてはスポーツのように体格・体力差による有利不利は殆ど無いので、小さい子と成人であっても年齢差によるハンデはほとんど無いだろう。
実際に小学校低学年で最高ランクに到達し、大会で成人プレイヤーを負かす人が何人もいる。
効率的に上達するために必要なのは、最新の攻略情報を手に入れることと、強いプレイヤーと練習できる環境。あとは練習に費やす時間が自由にとれるかどうかだろうか。
最新の攻略情報はネット、特にTwitterを中心にプレイヤー間で共有されているが、小学生以下の小さな子にネットを自由に使わせている家庭は多くはないだろうしたどり着くのは難しそうだ。Twitterは13歳未満はアカウントを作ってはいけないことにもなっている。
また、オンライン対戦をしないのであれば自分よりレベルの高いプレイヤーと対戦できる機会も少なくなる。練習量についても、1日何時間もゲームをプレイする事が許されている子も多くは無いだろう。
そうした環境を用意しやすい一般部門のプレイヤーとレベル分けをする意味では年齢制限、とりわけ小学生以下に限定した大会というのは、一定の機能を果たしていると感じた。
拮抗したレベルで行われる対戦は会場を大いに盛り上げた。
任天堂ならではのゲーム大会
プロ選手の誕生や、大きな賞金が出る大会など、競技性と興行要素を高めたゲーム大会が「eスポーツ」としてニュースにとりあげられる機会が増えてきた。
Nintendo Live にはそれらとは趣の異なる、親子も楽しめる「ゲーム運動会」「ゲーム文化祭」というような表現が似合う、お祭りのような空気が会場にあふれていた。真剣でありながら笑顔も耐えない空間。
幸い、僕の両親はビデオゲームに理解があったので、遊んでいることを咎められることは殆どなかった。しかし、友達の家で遊んでいる時には友人家族からゲームばっかりしてないで…と嫌味を言われるような場面はしょっちゅうあったし、やはりおおっぴらにゲームをすることは憚られる雰囲気がいつもあった。
ビデオゲームが上手いことは、友達の間でちょっと誇れるくらいのことで、親や年長者に褒められるようなことはない。部活動でサッカーや野球といったメジャースポーツに取り組むことに比べて価値が低いとみなされるのが普通だった。
そんな僕の目には、ゲームプレイヤーが主役になれるこのNintendo Liveというイベントはとても幸せな空間に写った。
家族が一緒にゲーム大会に来て、一生懸命応援してくれる。がんばった選手の家ではきっとこの日、食卓を囲みながら、ARMSの大会の話題で会話がはずんでいるのだろう。
ゲームが好きなこと、得意なことに引け目を感じることなく、みんなから認めてもらえるというのはとても素敵なことで、大切な思い出になるだろう。
DAY1、DAY2ともに、同時開催されたどのタイトルの大会にも熱烈なファンが集まり、最高峰レベルのトーナメントが行われ、会場のあちこちからあがる歓声は途切れることがなかった。
ステージの合間にはタレントが舞台を盛り上げ、人気のキャラクターが会場を歩けば人だかりができ、某人気テーマパークに引けを取らない盛り上がりを見せた。
この空気感を実現できたのは昔から一貫して子どもも安心して楽しめるゲームづくりを続けてきた任天堂の信頼とコンテンツがあってこそだろう。
Nintendo Liveは任天堂らしさが詰まった素敵なイベントだった。
この日、僕はARMSという共通のゲームを楽しむ新しいプレイヤー層に出会うことができた。この先、僕らユーザー主体のコミュニティはこうしたプレイヤーやご家族と繋がり、このJGPの雰囲気を少しでもまとったイベントが実現できたら嬉しいと思う。
これからの活動に多くの刺激を与えてくる、ARMS JGP18 東京大会DAY2 小学生以下限定大会だった。
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