ARMSプレイヤーの中でも指折りの実力者であり、僕が主催するイベント第伍回豪腕拾先でも名勝負を繰り広げてくれたぽこやん(@pokonica)さんが新たに立ち上げたARMSオフライン大会「鼓舞志」。その記念すべき第1回大会が9月22日(日)、名古屋で開催された。
勝ち取れ、その『KOBUSHI』で。
9月22日(日)名古屋にてARMSオフライン大会『鼓舞志』を開催します!ARMSオフライン大会の始まりの地である名古屋で拳を交わしましょう👊
情報については随時Twitterにてお知らせします。どうぞ宜しくお願い致します!!
主宰:ぽこやん(@pokonica) #ARMS #ARMS_鼓舞志 pic.twitter.com/VKvPPpCW4y— 鼓舞志@9/22(日)名古屋 (@ARMS_kobushi) August 4, 2019
チーム戦を除いた、シングルスのトーナメントとしては約半年ぶりに開催されたこのARMSオフライン大会のレポートをまとめる。
ARMSに限った話ではないが、オフイベントはどうしてもプレイヤーの人口が多い関東とくに東京に集中する。そのたび関東圏外に住むプレイヤーが長距離を移動することになるわけだが、ぽこやんさんはこの負担を分散したいと考え、今回東西の中間に位置する名古屋での大会開催を決めた。(確かそういうふうに聞いた気がする。違っていても、いい話だからそういうことにしよう。)
ぽこやんさん自身は名古屋が地元なわけではない。遠方でイベント開くのは運営としてはリスクもコストも膨らむのに、ARMSのイベント開催場所・頻度の全体のバランスと参加者の負担軽減を考えたコミュニティ・参加者ファーストの決断が心に響いた。
AM2:00、出発
というわけで今回僕は東京から名古屋への遠征。
昨年、京都と大阪のイベントにそれぞれ車で遠征した時は体力的にかなり辛い思いをしたが、名古屋までならまだなんとかなりそうなので、交通費の節約のために他の参加者と相乗りで向かうことにした。
深夜2:00に自宅を出発し、途中ベンユイ亭で待機していたベンケー、オヒョ氏さん、きこぴのをピックアップ。3人ともハードな乗り物酔いを持っているということを聞いて、信管がイカれた不発弾を積んだような不安に襲われる。車検整備から戻ってきたばかりの車内で爆発するのはご遠慮いただきたい。
特にベンケーは助手席に座った途端に顔面蒼白になり心配させてくれた。君は普段のキャラに反してどれだけ繊細なんだ。
爆弾を揺らさないように気を使いながら東名高速道路を走ること約5時間、なんとか無事に名古屋入りした。
AM9:00過ぎ会場到着・設営
名古屋駅のホテル近くに車を止めて会場の近くまで地下鉄で移動。設営開始の9:00を少し過ぎて会場に到着。
会場のナディアパークは2年前にARMS初となる、任天堂主催によるオフ大会が開催された記念すべき場所だ。会場で、配信を通じて、ARMSプレイヤー同士が顔合わせをし、つながりが生まれるきっかけになったすべての始まりの地である。
当時の様子は任天堂のWebサイトにもまとめられているので必読。今はおなじみの顔が写真でたくさん見られる。
味噌カツは雨に踊る! 「ARMS JAPAN GRAND PRIX 2017」名古屋大会レポート | トピックス | Nintendo
この会場選定はなんとも粋なはからいだ。良い。良いよ鼓舞志。奇しくもJGP17と同様に台風が接近し、そこまでは再現しなくても…と不安になったが幸い午後に少し天気が崩れただけで幸い大会の開催には影響無かった。
6階のセミナールーム2が会場。定員42名で今回は参加人数にほぼぴったり。
機材は対戦台5台、配信台1台を設置。会場は有線LAN有り、無線LAN無し、プロジェクターとマイクを利用。壁もしっかりしているので普通に盛り上がるくらいの音出しは全く問題なかった。
AM11:00 開会式・試合開始
配信設定に手間取り少し遅れて開会式。ぽこやんさんからルール・注意事項の説明を受けた後、28名によるトーナメントが始まった。
ダブルエリミネーション形式のトーナメントで、ステージ選択に関するルールが他の大会と少し異なる。基本BANステージからプレイヤーがお互いに追加のBANステージを決定し、初戦ステージはダイスで決定する。初戦ステージをランダムに決定するのは公平な仕組みだと感じた。
トーナメントの途中、大きな番狂わせが起こる。
Winners準々決勝、オフ大会初出場のマイミニ選手(@maimini1031)が、ここ1年ほど大会では負け知らずのShateau選手(@Shateau_monky)を下した。会場にどよめきと歓声が起こる。
その後もマイミニ選手は快進撃を続け、Winners決勝へ。決勝常連、トッププレイヤーのがすマスク選手(@GuSmaskShulk)との対決へと駒を進めた。
ルーザーズに落ちたShateau選手には強豪たちが牙をむく。
どの試合も接戦ながらそれでも強豪をしりぞけ、決勝ステージへたどり着くShateau選手はさすがだ。
しかし普段、圧倒的な強さでトーナメントを勝ち上がる彼が毎試合ここまで追い詰められるのは珍しい。決勝ステージは波乱が起こりそうな予感を覚えた。
大盛りあがりのサイドトーナメント「One Punch Man 」
途中、メイントーナメントの進行と並行して、敗退者が全員参加できるサイドトーナメント「One Punch Man」が行われた。
アームが1発ヒットすれば1000ダメージで即試合終了となる「1発勝負」のルールで戦うシングルエリミネーションのトーナメント。初の「アイテム有り」ルールのオフ大会でもある。
対戦台のあちこちから悲鳴と笑いが起こり、会場は湧きに湧いた。
決勝戦はキックバック使いのへびろて選手(@hebirote_arms)と、鳥・傘アームで相手の攻撃を相殺するスタイル得意とする弥弥雪 八雲選手(@misdirection_18)。どちらも守りが硬いプレイヤーだけあって、ギリギリの攻防が続く接戦となった。
優勝はへびろて選手!
決勝の瞬間を撮ろうとカメラのファインダーを覗いて中腰で構えているのに全然試合が終わらないくて足がパンパンになった。1発勝負なのにお互いなかなかのしぶとさを見せるいい試合だったなあ。
決勝戦は配信のアーカイブにも残っているのでぜひ見て欲しい。気づくと笑顔になってるよ。
◆サイドトーナメント One Punch Man 決勝 4:28:06〜
せっかく来た大会、できればたくさんの対戦をしたいのが参加者の本音だと思う。時間の余裕が無い中で、進行がスムーズかつ盛り上がるルールのこのサイドトーナメント、とても良かった。ウデマエの差を気にせずみんなが楽しめる企画は良い。鼓舞志の名物企画になる予感。
衝撃の決勝ステージ
さて、メイントーナメントに戻っていよいよウィナーズファイナル。マイミニ選手 vs がすマスク選手。
がすマスク選手でもマイミニ選手の勢いは止められず。セット数 2-0 で勝利しウィナーズトーナメント優勝を決めた。
◆ウィナーズファイナル マイミニ選手 vs がすマスク選手 4:58:15〜
ルーザーズファイナルのがすマスク選手とShateau選手。1セット取るも1歩及ばず、2-1 でShateau選手が勝利。グランドファイナルはマイミニ選手との再戦へ。
◆ルーザーズファイナル Shateau選手 vs がすマスク選手 5:14:41〜
一進一退の攻防、なんと全試合フルラウンドまでもつれこみながら、Shateau選手が 2-1 なんとか勝利をもぎ取る。魂のリセットで最終戦に臨む。
結果は…2-1 でShateau選手が勝利!ルーザーズから勝ち上がってのリベンジを果たし、第1回鼓舞志のチャンピオンとなった。
30分を超える激闘だった。
◆グランドファイナル マイミニ選手 vs Shateau選手 6:19:46〜
この日、マイミニ選手とShateau選手は2先の試合を3回行い、結果Shateau選手が2勝したわけだが合計の取得セット数を見ると 5-4 でマイミニ選手が上回っていた。
先にも書いたとおり、ここ1年近くShateau選手のドクターコイルを止められるプレイヤーはおらず、攻略は不可能なのではないかという雰囲気がある中での出来事だ。突然現れた新しいプレイヤーが閉塞感を打ち破る様子はダイナミックで、まるでドラマのようだった。
マイミニ選手だけではない。ルーザーズでShateau選手と戦ったきらくん選手、スーパーマン選手、あかだるま選手、そしてがすマスク選手の試合も、僅差の接戦ばかりで、絶対王者の地位を脅かした。まだまだARMSには多くの可能性を感じずにはいられない。
この鼓舞志、後日振り返った時に、ARMSの大会史上大きなターニングポイントになるのかもしれない。
すべての参加選手にGGs!
試合結果
鼓舞志 | Brackets
僕の結果も備忘録として残しておく。
WINNERS ROUND 1 MATCH H vs.YamiMedd 2-0
WINNERS ROUND 2 MATCH R vs.RAIGYO 2-1
WINNERS QUARTER-FINALMATCH W vs.がすマスク 0-2
LOSERS ROUND 4MATCH AW vs.へびろて 2-1
LOSERS ROUND 5MATCH AY vs.Akadaruma 0-2
3勝2敗の7位タイでフィニッシュ。もう1つ勝ち上がりたいのだけどまだまだ足りないな。
閉会へ
最後はぷちこさんが提供してくださった、「EDITMODE」のARMSコラボTシャツを賞品にした全員参加のじゃんけん大会でもう一盛り上がり!
第1回鼓舞志は旗揚げのイベントとは思えない安定感のある運営が光った。
冒頭に述べた名古屋での開催の理由もしかり、サイドトーナメント企画やプレゼント企画まで、参加者を楽しませようという趣向があちこちに見られ、大変楽しかった。しかしもっと驚かされたのは表に出ない細かい部分の周到な準備。
対戦台で使用するケーブル類、配信で使用する機材、配線の検討からネームホルダーや名刺、対戦台の誘導カードなどの備品のチェック、購入、準備。モニターを受け取りから返却までの手配、これらはどの大会でも行われてることだけど、いざやろうとするとかなりのチェックと準備の手間が必要になる。
これらが初回開催なのにすべてきちんと揃えられてるだけでなく、ステージ選択ルールが添えられたステージ表のように、備品への細かい配慮も感じられた。こういう細部にまで気遣いのある企画は尊敬する。
1日1人で実況解説をやり遂げたうさしむさん。大会を盛り上げた立役者の一人。
さらに実況解説のために、出場選手すべての大会成績や普段の活動情報をまとめた綿密なプレイヤーリストまで準備されていて驚いた。プレイヤーとしてはとてもうれしい。このぽこやんさんの底なしのホスピタリティには頭が下がった。
うさしむさん(@pphell)もそれだけの準備に答えるように、入念な用意をされていた様子。格闘技の実況を彷彿とさせるオリジナリティあふれる流暢な言い回しはとても新鮮で長丁場のイベントを盛り上げ続けてくれた。
振り返ってみると、鼓舞志の立ち上げ発表のときから、情報をまとめたサイトの用意(note)での大会概要やルールなどの整理された情報提供、定期的な告知、前々夜祭と銘打ったオンライン大会の開催など、しっかりした運営が際立っていた。
準備が万端だからこそイレギュラーな事態が発生しても大きくなトラブルに発展せず粛々と進行できていたように思う。
こうした運営陣がいるARMSの新しい大会が誕生したことは本当に嬉しい限りだ。まだまだARMSコミュニティを盛り上げて行って欲しいと思う。
そしてもちろんイベントは参加者のみなさんがいて初めて成立する。積極的に楽しんで、設営・撤収にも協力的なみなさんのおかげで鼓舞志は素晴らしい大会になった。打ち上げの幹事をされたへびろてさん、お疲れさまでした。これからも火が絶えず、緩やかにでもコミュニティが続いて行って欲しい。
僕個人としては試合と撮影にのめり込んでしまい、初めてお会いした方々とちゃんとお話できなかったことを後で反省した。お声がけいただいた方々にも失礼しました。次の機会で改めてご挨拶させていただければと思います。
ぽこやんさん、運営のみなさん、参加者のみなさん、そして配信視聴者のみなさん、鼓舞志、お疲れさまでした!
次回のARMSオフライン大会は我らがTEAM豪腕主催、 10/13(日)、GO-1 JAPAN CHAMPIONSHIP 2019 です。鼓舞志に負けない熱い大会になるよう、頑張らせていただきます。ぜひ皆さん足を運んで下さい。京都でお会いしましょう!
#ARMS_鼓舞志 は新しい #ARMS 史の到来を感じさせるハンパねー大会でしたね!
次は10/13 GO-1 JAPAN CHAMPIONSHIP 2019 at KYOTO !! バトンを受け取りこちらも熱い大会にします🔥🔥
申込は来週9/30(月)まで!皆様のご参加心よりお待ちしております!https://t.co/xz8PF9VTkt#GO1_ARMS pic.twitter.com/k7WpU8Prba
— 豪腕@ARMS (@GO1_ARMS) September 23, 2019
ここに掲載していないイベント当日の写真も以下のアルバムからご覧いただけます。
余韻が冷めやらぬ内に昨日行われた鼓舞志のイベント写真を公開致します。 #ARMS_鼓舞志
撮影:HEIさん(@HEI_games )
※写真公開に際して問題が生じる方がいらっしゃいましたら、お手数ですがDMにてご連絡していただけますと削除対応致しますのでよろしくお願いします。https://t.co/VoJpeBe5rv— 鼓舞志 (@ARMS_kobushi) September 23, 2019